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令和2年3月14日 安倍内閣総理大臣記者会見 文章化


【安倍総理冒頭発言】

新型コロナウイルス感染症に関する特別措置法の改正案が昨日、成立いたしました。

これにより、今後、万が一、緊急事態に至ったと判断した場合、この法律に基づいて、蔓(まん)延の防止と社会機能の維持のため、様々な措置を取ることが可能となります。


この国家的な危機に際し、政治的立場の違いを超えて国民への責任を果たしていくべきである、その思いを共有していただき、速やかな国会審議と法案の成立に多大な御協力を頂いた与党、野党の全ての関係者の皆様に厚く御礼を申し上げます。

もとより、そうした事態にならないよう、国民の皆様に大変な御苦労と御不便をお願いしながら、政府と自治体が一体となって懸命に感染拡大防止策を講じております。

その上で、あくまで万が一のための備えをする。そのための法律であります。

様々な私権を制限することとなる緊急事態の判断に当たっては、専門家の御意見も伺いながら、慎重な判断を行っていく考えであります。

現時点において感染者の数はなお増加傾向にあります。

しかし、急激なペースで感染者が増加している諸外国と比べて、我が国では増加のスピードを抑えられている。これが、専門家の皆さんが今週発表した見解です。 WHO(世界保健機関)が今週、パンデミックを宣言しましたが、人口1万人当たりの感染者数を比べると、我が国は0.06人にとどまっており、韓国、中国のほか、イタリアを始め、欧州では13か国、イランなど中東3か国よりも少ないレベルに抑えることができています。


こうした状況を踏まえれば、現時点で緊急事態を宣言する状況ではないと判断しています。ただし、事態は時々刻々変化しています。高い緊張感を持って事態の推移を注視し、国民の命と健康を守るため、必要であれば、手続にのっとって法律上の措置を実行する考えであります。 前回の会見で申し上げたように、1、2週間が急速な拡大に進むか、収束できるかの瀬戸際となるとの専門家の皆さんの見解が示されてから2週間余りが経過しました。そして、現時点では爆発的な感染拡大には進んでおらず、一定程度、持ちこたえているのではないかというのが専門家の皆さんの評価です。

この2週間余り、感染拡大を防止するため、現場で、学校で、職場で、そして地域で、大変な御協力を頂いた全ての国民の皆様に心より感謝申し上げます。  

春のセンバツなど、今月予定されていた各種のスポーツ大会も中止となりました。

出場を目指し、連日、厳しい練習に打ち込んできた学生の皆さんの悔しい気持ちは、察するに余りあります。

皆さんが応援する御家族や同級生の前で思い切りその実力を発揮できる、そしてライバルと正々堂々競い合える日が一日も早く取り戻せるよう、全力を尽くすことをお約束します。

しかしながら、現状は依然として警戒を緩めることはできません。これまでの取組について専門家の皆さんに分析いただき、その結果が示されるまで、引き続き御協力を頂きますよう、改めてお願いいたします。

未知の部分が多い新型コロナウイルス感染症でしたが、皆さんの御協力を頂き、これまでの対策を進める中で、多くのことが分かってきました。 これまでのデータでは感染が確認され、かつ、症状のある人の80パーセントが軽症です。重症化した人でも半数ほどの人は回復しています。

クルーズ船も含めれば、感染者の4割以上、600人に及ぶ方々が既に回復し、退院しておられます。他方、お亡くなりになった方は、高齢者の皆さんや基礎疾患のある方に集中しています。

今週から全国の高齢者介護施設などへのマスク配布を順次スタートしていますが、こうした皆さんの感染予防に一層、取り組む必要があります。