アマゾン、倉庫へ商品入荷制限 日用品優先へ

アマゾンジャパン(東京・目黒)が国内の物流施設で商品の入荷制限を始めたことが17日、明らかになった。生活必需品や衛生用品を優先的に入荷する一方、対象外の商品は納品を制限する。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、緊急事態宣言の対象は全国に広がった。生活物資の需要が急増する恐れもあり、社会インフラとしての機能を重視したとみられる。
米アマゾン・ドット・コムは、コロナ感染拡大の影響で物流が逼迫し、3月中旬から同様の入荷制限をしたが、4月中旬に解除している。国内でもネット通販の利用者が増えており、大手のアマゾンに続き各社が対応を迫られそうだ。
優先的に入荷する商品には食料品のほか、マスク、ティッシュなどの衛生用品、日用品が含まれる。入荷制限は玩具などの嗜好品が対象とみられ、一部商品が品薄になるなどの影響が出そうだ。
外部事業者がアマゾンで販売する「マーケットプレイス」の商品の入荷は制限しない。入荷制限を行う施設の場所や、期限は公表していない。
米アマゾンの入荷制限では食料品や日用品のほか、ベビー用品や美容品、ペット用品などの入荷を優先した。一時入荷ができなくなった商品は、品薄になったり、配達に通常より時間がかかるなどした。その後同社は計17万5千人の採用計画を発表し、物流能力を増強。13日には入荷制限を解除する方針を明らかにした。
外出を控える「巣ごもり消費」の影響で、ネット通販を利用する人が急拡大し、物流の逼迫が課題になっている。アスクルが運営するネット通販「ロハコ」は3月4日、出荷が対応しきれなくなったため、新規の注文を48時間止めた。
通販で生鮮品を注文する人も増えており、アマゾンが展開する生鮮宅配「アマゾンフレッシュ」では4月2日以降、指定できる配達日の日数を少なくするなど対応している。
アマゾンジャパンは入荷制限の影響について「最も必要とする商品のより迅速な在庫確保、配送が可能になる」とコメント。「配送能力を拡充し、早く通常のオペレーションに戻せるよう努める」としている。 (日本経済新聞)