マスクつけてジョギング 注意点を専門家が指摘 新型コロナ



新型コロナウイルスの感染拡大で外出の自粛や在宅勤務が長引く中、運動不足を解消しようと、公園などでジョギングをする人が目立っています。 健康政策を専門にする専門家は、マスクをつけたうえで、ほかのランナーと距離を十分にあけて走るなど、具体的な注意点をまとめた動画を公開し、感染予防対策の必要性を呼びかけています。

緊急事態宣言の延長を受けて外出の自粛や在宅勤務が長引く中、都内の公園や河川敷では、運動不足を解消しようと、1人でも気軽に取り組むことができるジョギングをする人が目立っています。 筑波大学大学院で健康政策を専門にする久野譜也教授の研究室では、このほど、ジョギングをするときの新型コロナウイルスの感染予防対策を紹介する動画を作成し、YouTubeで配信を始めました。 動画では、飛まつ感染を防ぐために、自分自身がマスクをつけたうえで、ほかのランナーはマスクをつけていないことを想定し、前後左右に適度な距離をとって走ることが、何より大切だとしています。 具体的には、 ●ほかのランナーと前後10メートル以上間隔をあけること。 ●追い抜くときには1メートル50センチほど横に距離を置くことをすすめています。 加えて、マスクをつけて走ると呼吸をしにくくなるため、心臓や肺に負担がかかっているとして、ふだんよりも走るスピードを抑えるようアドバイスしています。 久野教授は「運動不足やストレス発散のために外で軽い運動をすることは重要なことだ。ジョギングについては、自分を守り他人に迷惑をかけないためにも、マスクをつけたうえで、人との間隔をあけて走ってほしい」としています。

マスクつけて走る人「最低限のエチケットだが本当にきつい」 今月に入って都内では気温が25度を超える夏日となる日が出ていますが、公園や河川敷では、ほとんどの人がマスクをつけながらジョギングや散歩をしています。 50代の男性は「在宅での仕事が続き、一歩も外に出ない日が2日、3日と続くことがあるので、体の調子を整えるためにジョギングをしています。ただ、マスクをつけて走るのは本当にきついです。感染症対策で周囲の人に対する最低限のエチケットでもあるので、これからもマスクはつけますが、無理なく休んで呼吸を整えながら運動するよう心がけています」と話していました。 仲間と一緒にジョギングをしていた20代の女性は「こういう状況なので絶対にマスクをつけて走りますが、息苦しくて、いつもの2倍以上疲れる気がします。呼吸もつらくなるので、最後のほうはついついマスクをずらして息をしてしまいます」と話していました。 週に1回ジョギングを欠かさずに行ってきたという50代の男性は「自分は大丈夫かなと思っていますが、マスクをつけないと周りの人たちが気にすると思うので、いつもマスクをつけるようにしています。ゆっくり走るようにすれば、そこまでつらくないですが、これからより暑くなってくると厳しいです」と話していました。


マスクつけたときは「ニコニコペース」で 久野教授は、「マスクをつけて走ると、低酸素の状態になるので、アスリートが心肺機能の強化のため気圧の低い高地で行う強化合宿と似た状況と言える。マスクをつけていないときと同じ強度の運動を行わず、走るスピードを落とすなどの対策が必要だ」と訴えました。 そのうえで、「マスクをつけているだけで大きな負荷がかかっている。人と話しながら走ってもつらくないくらいのスピードでのジョギングを推奨したい。話したり笑ったりしても息が切れないくらいの『ニコニコペース』を意識してほしい。それでも十分な運動効果は得られる」としています。


熱中症などのリスクも マスクをつけてジョギングすることの健康リスクについて、日本医師会の認定健康スポーツ医で、循環器内科が専門の杉岡充爾医師は、「低酸素状態で走ることで、熱中症などさまざまな病気にかかるリスクにつながる。正しい知識を踏まえた対策を講じて走ってほしい」と注意を呼びかけています。 杉岡医師によりますと、千葉県船橋市にある自身のクリニックを訪れる患者の中には、長引く自粛生活によるストレスで自律神経に乱れが生じ、血管が収縮しているケースが見られるということです。 血管が収縮した状態で息がしにくいマスクをつけて走ると、低酸素状態になりやすく、脳や心臓に十分な酸素が行き渡らなくなり、心不全や不整脈などの病気につながるリスクがあるとしています。 また、これから気温がどんどん上がる中でマスクを着けて走った場合、脳に届く酸素が少なくなり、判断力が鈍くなるため、汗をかく量が増えても、脱水状態など体調の微妙な変化に気付かず、熱中症になるおそれがあると指摘しています。 杉岡医師は、ジョギングなど運動をするときにもマスクをつけることは重要だという認識を示していて、準備運動をしっかり行うことや、運動中も人が近くにいないことを確認したうえで、適宜、マスクを取って呼吸を整えることをすすめています。 杉岡医師は「健康を保つために適度な運動は重要だ。ただ、低酸素状態で走ることで、熱中症などさまざまな病気にかかるリスクにつながる。正しい知識を踏まえた対策を講じて走ってほしい。私たちは今まで経験したことのない大きなストレスのもとで生活を送っているので、通常の運動ができると思わず、無理をしないことが大事だ」と話しています。 (NHK)


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