災害時の感染症 避難先の安全対策徹底したい


新型コロナウイルスの脅威が続く中、これから雨の多い季節を迎える。いつ地震に見舞われるかもわからない。災害時の感染症対策を考えておく必要がある。


懸念されるのは、避難所の運営だ。体育館や公民館に、避難してきた多くの住民が集まると、密閉空間で密集状態を生み、感染拡大の危険性が高まりやすい。


過去にも、熊本地震や東日本大震災、阪神大震災の際に、避難所でインフルエンザやノロウイルスの感染が広がった例がある。


関係学会で作る防災学術連携体は、避難所についたてを用意して住民間の距離を確保することや、体育館のほか学校の教室も使うよう提案した。熱中症対策として扇風機を用意したり、消毒液を確保したりする必要性も説いた。


避難所での感染リスクを恐れるあまり、住民が避難をためらうことがあってはなるまい。自治体は密集状況の回避や、衛生管理の徹底を図り、安全な避難所の開設を目指してもらいたい。



避難者を分散させるため、公的施設のほかに、ホテルや旅館を一時的な避難所にすることも有力な選択肢になる。内閣府などは業界団体に対し、活用可能な施設のリスト化を進めるよう要請した。


業界は積極的に協力し、自治体を支えてほしい。

感染の疑いがある避難者への対応も重要な課題だ。


千葉県鴨川市は先月、大雨警報が出た際に避難所を開設した。発熱している人には、車で待機してもらうことを計画していた。


ただ、新型コロナウイルスの感染では、血管内に血栓が生じやすい。専門家は、車中泊をすると血栓が原因で死亡するエコノミークラス症候群を引き起こす可能性があると警告している。


やむなく車中泊をする場合には、水分摂取やマッサージを欠かさないようにして、体調に変化があれば速やかに医療機関に搬送することが求められる。


医療機関が、感染症患者とけがをした被災者の両方を受け入れる事態も想定される。院内で感染症対応の領域を設けるなどして、病院機能を維持すべきだ。


住民一人ひとりの備えも欠かせない。感染予防に必要なマスクや体温計を用意して、避難する時に持参する。公的避難所の過密を避けるため、安全な親類宅や知人宅があれば、避難先とさせてもらうよう、事前に相談しておく。


いざという時、感染リスクを低減させる行動を心がけたい。 (読売新聞)


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